私が今まで一番多く受けた株の質問です。
始めは真剣に答えていました。 しかし最近ではこの言葉は株仲間の「こんにちは」という 挨拶替りの言葉として解釈して、「そうですね、あるといいですね。教えて下さいよ。」と挨拶を返します。 そうするとそこで挨拶が終わることを知ったのです。 しかしこの言葉を本気で言っておられるのなら、はっきりいって問題です。 それは貴方が逆の立場になられたら良く判るはずです。 こんな難しい質問にはとても答えられないことに気が付かれる筈だからです。 相手の余裕資金の範囲も、現物でやられているのか、信用もやられているのか、どんな投資スタイルなのか、言ったとしたらいつ買われるのかと,相手について判らないことが多すぎて、それを全部無視して簡単に言うのは無責任すぎることになるからです。 それとこのような人には共通点があるのです。 株式投資家というよりは株式コレクターではないかと思えるほど多数の株式を保有されておられることです。 私が接してきた投資家の大半がこのスタイルでした。 それが私の好みの株式投資スタイルだと言われるのなら、私は一言も申し上げることは ありません。 しかしこの投資スタイルの結果に失望されておられるのなら、投資スタイルを根本的に改められたほうがよいでしょう。 私は逆に多くて5,6銘柄まで、普通は1,2銘柄しか保有しないようにしていました。 そして行き着いたのが日経平均という唯一,最大の株(本当は指数)だったのです。 何故そこまで銘柄数を絞り込むのか、それは私がやってきた販売の仕事と深く関係しているのです。 当時は高度成長の余韻で、多数の顧客数が沢山の売上高に比例するという単純な発想が 蔓延していました。 ご多分に漏れず,私も始めは数に拘り出来るだけ沢山の顧客を獲得することに精力的でした。 暇があれば新規開拓をしていました。 しかしまもなくこの論理に疑問が生まれてきました。 新規開拓の効果が極めて悪かったからです。 顧客の欲している事と販売側との論理とがズレ出していたのです。 その時に 他社の優秀な販売員ほど顧客数が少ないことに気がつたのです。 何と1社だけの顧客で数億円を売り上げている販売員がいることも知ったのです。 顧客が求めておられたのは1週間に1回ぐらいしか来ない販売員より、毎日来て痒いところ に手を差し伸べてくれる販売員を望んでおられたのです。 痒いところに手が届くという状態を知るということは、すなわち顧客情報のことでしょう。 従って売上に比例していたのは顧客数ではなく、顧客情報だったのです。 そこで私は顧客のところへ売上を取りにいくのではなく、顧客情報を取りに行ったのです。 顧客の好きな話題、贔屓のプロ野球チーム、出身地など痒いところに手を差し伸べられる 情報を取りに行ったのです。 そしてもう一つ顧客情報の項目が最高に沢山ある会社(即ち日本のトップ企業)を攻略することことが、この売上を最大にする近道であるという結論に達した訳です。 この私の過去の仕事の歩んだ過程と、今の私が株で歩んだ過程を見比べてください。 私が昔、自分の力不足でなし得なかったことを、今、株で成し遂げようとしている事が判って いただけるでしょう。 仕事と株は似ていて違うところもありますから、全部この論理(情報量=利益)でいかない 部分はあるでしょう。 しかし売るという株で一番重要なタイミング一つをとっても、数十銘柄を売りこなすというのは 猛獣使いが数十頭の種類の違う動物を演技させるに等しい技に思えるのです。 それで私はそれは趣味のコレクターという範疇のお遊びと失礼ですが揶揄したのです。 私は管理職となり、部下に終始一貫して求めたことはこの質の拘り,数の拘りでした。 これに拘らず、次から次に新規開拓する販売員をバタフライセールスといって禁じました。 自分が求めているものが何に比例しているのか、この徹底的な拘りこそ成功への鍵である と信じます。 人間の持ち時間はあっという間に使い果たします。 この貴重な持ち時間を最大に活かすコツは、何が自分の目的と連動し比例した光(殆どの 人は影に騙される)かをストレートに研究し続けることだと思います。 コメント 長い文章はこちら j-miya@kcn.ne.jp
by 11miyamoto
| 2004-12-15 14:38
| 十一の五六
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