私はこの3、4日間、何故私の3線上下のアリアが機能しなかったのか、そればかりを考えていました。
これは日経平均だけでなく、NY株も全く同じなのです。 アリアの第2楽章入りどころか、共に振り出しに戻りかねない状況になっています。 何故この食い違いが起きたのか。 その食い違いのヒントを与えてくれたのは、セブンイレブンの鈴木敏文会長の言葉でした。 セブンイレブンでは「お客様の為に」という考えは禁止だそうです。 そうではなく「お客様の立場に立って」ということを実践する事が求められるそうです。 この考えをアメリカの大学で鈴木会長が講演した時に、学生はスタンデイング・オベーションで応えたそうです。 一見この二つの言葉は同じように見えます。 ここ10年余り日本の会社も顧客志向が強まり、必死に顧客の為の政策を進めて来ました。 それでは何故鈴木会長は「お客様のために」という考え方を禁じたのでしょうか。 それは「お客様の為に」という考えは、会社側、店側の人間が会社の利益を考え、過去の お客様のデータで考えてしまうから駄目だといったのです。 特に顧客データはえてして思いこみが多く、実態とずれているケースが多いと彼は見ていた訳です。 それに対して「お客様の立場で」という考え方は、目の前で起こっている事柄ですから、人が違っても普遍性があり、スピード性もあります。 私が前にある時計店の話をしたことがあります。 この事例が良い例でしょう。 店主は陳列の入れ替えを考えておられました。 これが店主の「お客様のために」という答えです。 それに対して私は店の前のバスストップで寒さに震えておられる人に温かいお茶の無料サービスコーナーを提案しました。 どちらが「お客様の立場で」を実践しているかお判りでしょう。 たった一語の違いにこれだけの違いがあることを見抜かれた、鈴木会長の慧眼にはおそれいるばかりです。 さてそこでこの話とアリアがどういう関係があるかということです。 勘の良い方は気づかれたでしょう。 私のアリアが「お客様の為に」の発想で、その後考えた相場の陰転、陽転で自動売買するというのが「お客様の立場で」だったのです。 私が過去のデータとチャートで築き上げたものは,如何に確率が過去において高かろうが、現実の出た株価の前には食い違えば何の価値もないのです。 小売業でもそうですが,株の世界の投資家も激変しました。 インターネット・トレーデイングは沢山のアマチュアとスピードを生みました。 またその後発展したデリバテイブの導入は、株の世界を一変さすぐらいの出来事といってよいでしょう。 私の感ですが昔の相場の約10倍ぐらいの速さで相場は動いているでしょう。 過去の経験が駄目になったとは思いませんが、少なくとも先物のようなよりスピードを要求される世界では、現実に目の前で起きている事にどう上手く乗っていけるかが勝負です。 それでは3線上下のアリアが駄目になったのかと言われれば、そうではありませんとお答えします。 過去のデータが全部駄目になるということではなく、普遍性のあるものも結構多いのです。 従ってこの普遍性のある哲理と目の前の現実を、どう融合させて調和させていくかがこれから私達トレーダーに課せられた能力なのでしょう。 この間ある人から「私は70歳近い人間ですが,随分株もやってきましたが、もう最近の激しい変化にはついていけません。 年齢はやはり株の世界では障害の壁になるんでしょうか」と言う問いかけをいただきました。 私が今脳の科学に興味を持っていますのは、この方の疑問を明かすためといってもよいと 思うのですが、そこで判った事は人間の器官の中で一番劣化しないのが脳だと言うことが 判りました。 それどころか脳を使わない若者より、脳をいつも使っている老人の方がはるかに脳が若いのです。 人間の脳は経年で年をとるのではなく、自分は年だと諦めた時から年を取り始めるそうです。 一番重要なのは「意識」なのです。 あの有名なプロスキーヤーの三浦敬三さんの脳の年齢は60歳台だそうです。 実年齢と40歳近い開きがあるのです。 三浦敬三さんがそこまで何故現役に拘られるのか、それは「スキーが好きだから」。 100歳まで人間心底好きなことがあると言うのは最高に幸せなことです。 私も三浦さんから見れば若輩者ですが、株がそれに該当します。 株ぐらい私の全知全能をかけて戦える、面白いものにはお目にかからなかったからです。 コメントの中で私が一番嬉しいコメントは「ただの図表であったチャートにこれほどまでの 奥深い意味合いがあったことを知り、株の面白さを知りました」と言うコメントを頂いたときです。 好きになってもらうこと、ここに全ての原点があるような気がします。 大袈裟になりますが今までの日本の教育は、この原点を踏み忘れたのではないでしょうか。 早く詰めこみ、金儲けの投資の手段としての教育のつけが、今の世相を狂わせていると 思うのですが、思い過ごしでしょうか。 人間は好きなことをしていれば、思いやりもも豊になり、幸せになります。 更にそれで生活できれば最高です。 私がそのお手伝いができれば、私も最高に幸せです。
by 11miyamoto
| 2005-01-23 11:52
| テクニカル分析
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