私はかなりの映画好きで良く見に行きます。 今は見ませんが良くみた役者の一人に
笠 智衆さんがおられます。 小津監督の常連の役者でしたが、若い頃からお爺さんの雰囲気のある不思議な役者さんでした。 演技と実生活の幅が少なく,何回指導しても癖が抜けず不器用が服をまとっているような役者だと評されていました。 その後寅さんシリーズでも 常連になって出ましたが,相変わらず笠智衆節は変わらず演技と実生活がダブって見える演技には何の変化もありませんでした。 若い頃は役者がその映画の人物になり切って 演技する役者が上手い役者だと思っていました。 しかし私の役者観が変わってきたのは、ここ数年前ぐらいからです。 音楽でもモーツアルトの音楽はどの曲を聴いてもモーツアルトです。 いくら「ハイドンの主題による」と 名うってもブラームスが作ったものは,やはりブラームスの香りがぷんぷんします。 今歴史に残る音楽家や記憶に残る役者はある意味で言えば、器用に他の人になり切れなかった人といえるのではないでしょうか。 不器用を最大の武器にして生ききった人達といえるのかもしれません。 しかし今世の中を見れば器用に泳いで世渡り上手な人が多いようです。 これでは片岡千恵蔵の「怪人20面相」です。 そうだこの片岡千恵蔵さんも不器用な役者の一人でしたね。 どの台詞も口をすぼめて腹話術のような独特の話し方で、それが時代劇でも現代劇でも全部同じでした。 私の文章も早くこの不器用節の仲間入りを果たしたいと願っています。
by 11miyamoto
| 2005-06-19 10:23
| 雑感
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