11月14日(火)に政府税制調査会は「来年度で予定通り19年末をもって有価証券の優遇税制を廃止する」方針を固めました。 期せずしてその日から株価は下落基調となりました。 今の株価の下げがこの決定が全てとは限りませんが、個人投資家の気持ちを萎えさせ、外人投資家から見ても政府が目指した「貯蓄から投資」へのシナリオから外れるため、失望売りを誘った可能性があります。 これで相場が変わるという捉え方よりも、その時の議論で私自身が失望したのは、この決定の感情的な根拠を与えていると思われる「金持ちだけを利する」税制は当然期限がくれば廃止が当然という感覚です。 その先に株で金儲けは邪道で、額に汗して働くことが大切だという固定概念があるのではと思います。 今や日本の株の売買の半数が外国人で、額だけでなく頭に脂汗もかいて働く国際感覚とずれているように思えてなりません。 それと資本主義陣営に属する日本が、その基本の株式市場をどうも一部の金持ち階級の場という感覚からもそろそろ卒業してもらう時期が来ていると感じます。 外国人に日本の株式市場の脆弱性をつかれて、先物で株価を彼等に売りまくられることは、日本にとって金持ちもその他の人も関係なくいや逆に所得が低くて株に関係ない人ほど生活が追い詰められるのです。 3年前に日経平均が8、000円台をつけたときにも、株を持たない低所得者から、「バブルでいい目をしたのだからいくらでも相場が下がればいいのだ」という感情論を聞きました。 天に唾する言葉通り本当に困ったのは、欲張りすぎた株式投資をした人とこの人達でした。 株式市場が国の税収や企業の業績だけでなく、貯蓄や年金がファンドや株式で運用されていることからも、資本主義で生きる国民は株式市場から目が離せませんし、もっと株式市場を勉強する必要があると思います。 株式市場の富はその国民すべての富なのです。 決して株を所有している人だけの限られた富みでは無いのです。
本題に戻りますが、それを株価のサポートのために優遇策が時限立法で作られること自体が 問題でしょう。 貯蓄から株式投資へと本当に誘導したいのなら、株価という誘導目標でなく株式投資への投資率の向上が目標であるべきです。 それを安易な株価サポートとするから、その後の手段がほったらかしになり、切れた時点で麻薬患者の薬切れの症状が出てくるのです。 今政府がやらなければいけないのは、何故国民全てにとって株式投資が大切なのか、正しい株式投資とはいかなるものかといった啓発ではないのでしょうか。 株価だけを意識した問題処理では、何時までたっても問題の先送りとなるでしょう。 優遇税制を辞めるでも結構ですが、その先にどれだけ腹の据わった日本の株式投資への取り組みがあるのかがもっと説明責任を果たすべきでしょう。 それと先回の優遇策が株価対策でなく、投資率向上策として見直すのであれば、目標達成までこれは絶対に継続すべきものだと思います。
by 11miyamoto
| 2006-11-23 11:54
| 雑感
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